SD徒然日記

2006年3月  『八坂猫』目次にもどる  前月の日記を読む



2006/03/01

「・・・さすがに、このままじゃいけないと思うの」

「あ、やっぱり?」

「できなくて後悔すんのは、あずみさんだろ?」

「そうなのよねー」

「もうすでに、赤ランプ点滅してるんだけど」

「待ってて、薔子。なんとかしてみせるから」

「絶対よ?」

「よく、夏休みの宿題を最終日にやるタイプ、とか言うけどさ。
あずみさんの場合、
夏休みが終わってから泣きながらやる
更にタチの悪いタイプだからな・・・」


「えー。
有言実行目指してがんばります・・・(汗)」


高瀬は、本日より5連休。
毎度おなじみの「ひな祭り休暇」でございます。
当初の予定では、
ひな祭り時期の特別展示のはしご・・・
とかを計画していたのですが、
気が付いたらお裁縫の神様が脱走してて、
2月には出来上がっていないといけない
3月のひな祭り用の薔子の着物に、
まるで、さっぱり、これっぽちも、
手をつけてない状態で(滝汗)

そんなわけで、
自主的に缶詰生活の連休がスタートしたのでありました。

・・・とは言うものの。
休日前日の2月28日に、
待ち望んでいたものが届いたので、
初日は見事にそれに耽溺してしまい。

ああ、薔子の視線が痛い・・・(汗)


さてさて、その罪つくりなアイテムとは?
それは、古い漫画なのでした。


高瀬は、例えば
プロ野球のペナントレースが佳境に入ると、
『メイプル戦記』(川原泉)が読みたくなり、
夏の甲子園が始まると、
『甲子園の空に笑え!』(川原泉)が読みたくなり、
テニスのウィンブルドンが始まると、
『フィ不ティーン・ラブ』(塀内夏子:真人)が読みたくなり、
サッカーのワールドカップが始まると、
『シャンペンシャワー』(かわみなみ)が読みたくなる、
そういう奴です。

2月。
冬季オリンピックが開催されてましたよね。

もうパターンはお判りでしょう。
オリンピックの出てくる冬季スポーツの漫画、
ここはやはり、フィギュアスケートで決まりです。

フィギュアスケートの漫画というと、
槙村さとるの『愛のアランフェス』『白のファルーカ』
(前者はペア、後者はアイスダンス)
が真っ先に出てきます。
正統派ドラマティック路線ですね。
ちょぴりコメディ路線(しかし泣かされる)なら、
川原泉の『銀のロマンティック・・・わはは』(ペア)
これは名作です。
オリンピックは出てこないけどね。

その他にもいくつか描かれているのは知っています。
でも、高瀬にとってのフィギュアスケートのベストワンは、
赤石路代の『ワン・モア・ジャンプ』(小学館)なのでした。

トリノオリンピックが始まってから、
もう、読みたくて読みたくて。
ところが、数日に渡って数時間ずつ探したにもかかわらず、
4巻1冊しか出てこない・・・(汗)
そして、その4巻を読んだなら、
他の巻を読みたくてたまらなくなり、
再度購入する決意をしました。

しかし、何せ古い漫画です。
第1巻の奥付が、1993年4月なんですから。
(連載は『ちゃお』にて、1992年9月より)
出版社では、もちろん最初のフラワーコミックス版(全9巻)は絶版です。
後、愛蔵デラックス版(全4巻)が出版されましたが、
これもどうやら絶版のよう。
となると、古本で探すしかありません。
とにかく、読みたいだけなので、古本でもまったくかまわないのですけどね。

しかし、Amazonでも全冊は揃わない状態で、
オークションにも出品されてません。
行ける範囲の古本屋や、大きな本屋(DX版ならもしかして・・・と)を
たずねても、姿ひとつなく。

それが、飢餓感をあおったのでしょう。
連日検索捜索を続けました。

2月半ば、オクに全巻揃いが出品されていました!
大喜びで入札するも、逆転負け。しくしくしく・・・。

でも、あきらめきれずに探して。
楽天のショップに出品されてるのを発見。
いそいそ注文したら、翌日。
「一足違いで、別の方が購入されてました。ごめんね」
・・・おいっ(怒)

きっと、私と同じように、この時期、
読み返したいと思った人が複数いたんでしょうね。
おまけに、荒川選手の金まで出たわけだし。

さらに、探し続けて、ようやく。
ある古本屋のサイトで発見、
無事注文ー入金ー発送となりました。

実に、「読みたい」と思ってから20日近くかかりましたよ。
ふうっ。


作品紹介。
古い漫画なので、ネタばれしてます。

七瀬帝(ななせ・みかど)は、両親にペアスケーターを持つ女の子。
子供のころから、スケートに親しんでいた。
父が亡くなり、かつて世界選手権で銀をとった両親の後を継ぎ、
双子の兄の皇(こう)と、ペアを組むことにする。
しかし、ペアが始動し始めたばかりの頃、
わずか12で、皇は、事故死してしまう。
そのショックで母は正気を失い、帝はひとり取り残される。
そこに現れたのが、トーマ。
帝の異母兄と名乗る少年だった。
もはや、家族の中で、すべれるのは帝ひとりだけ。
トーマもまた、事故の後遺症のため、選手生活ができなくなっていたのだ。
それまで、皇の真似ばかりしていたが為に、
自分は下手だと思っていた帝に、
トーマは的確なコーチをし、
帝のジャンプは、飛躍的に上達する。
そして、帝はトーマと二人で、オリンピックの金を狙うことを誓う。

母の不調、
ライバルの妨害、
生まれてしまったトーマへの想い、
トーマの過去の恋人の出現、
トーマとの別離。
・・・などなどを乗り越えて、
オリンピック出場を果たし、
結果、13歳で女子シングルの金を獲ってしまう帝。
その後、本来の目的であるペアに転向、
次のオリンピックでの金を目指す・・・。


物語は、帝が10歳から17歳になるまでです。
メイン時期は、オリンピック目指す12歳から13歳でのシングル編。
(リレハンメル・オリンピックです。1994年。もう12年前か・・・汗)
14歳から17歳はペア編
(こちらは少々駆け足で、ラストに長野オリンピック、1998年)

基本は王道なんですが、
何が好きかって、プログラムの描かれ方です。
主人公帝の多彩なジャンプの使われ方、
ライバルの優雅さ。
実際現実のプログラムよりかは、
エキシビかプロのエンターテイメントっぽいですが。
ま、お話だし。

しかし、帝の武器は、
トリプルアクセル(3回転半)、
スリーコンビジャンプ、
最終的に4回転(クワドラプル)等、
それを12〜3歳でやってしまうとこなんですが、
フィクションだし?
とか思ってたら、
最近の女子シングルの演技見てたら、
絵空事ではなくなってますよね。
漫画に現実が追いついてしまってるよ・・・。

更に、高瀬がこの漫画を愛してやまない理由は。
ずばり、キャラ萌え(爆)
そう、愛しくてならないのです。
帝のライバルの女の子が(爆)

漫画などで、たまにある女の子萌えなんですが
(当たり前ですが、通常の対象は男性キャラですよ)、
一旦萌えてしまうと、かなり燃え上がります。

で、この物語で私の愛を一身に受けてしまったのは、
一色緋夏(いっしき・ひなつ)。
帝より1つ上の女の子です。
帝がボーイッシュタイプのジャンプ派、
緋夏は、女らしいバレエタイプ。
物語の始め頃は、
もう典型的なくらい主人公の前にたちはだかる
性格の悪いライバルなんですが、
帝と共にオリンピックに出場した際、
恋を知って変わっていきます。

リレハンメルで銅メダルに輝いた彼女は、
また帝と戦うためUSAに渡り、
リレハンメルの男子金メダリストのラリーとペアを組み、
最後まで帝の最高のライバルとして登場するのです。

余談ですが。
もし、これを読んで興味を持って「探してみようかな・・・」
と思われた方。
いらっしゃいましたら、
絶対、DX版より最初のフラワーコミックス版がおすすめです。
DXは、最終巻収録のトーマの過去の番外編が収録してないし、
フラワーコミックス版だと、表紙見返しに
2巻から9巻まで、緋夏がいるんです♪(笑)

何故知ってるかって?
DX版も、1・2・4巻が手元に来てしまったからですよ(苦笑)
それも、フラワーコミックス版と同じ日に付くんだもんな(遠い目)


赤石路代は、実はファンらしいんです(苦笑)
彼女の作品としての1番は、『P.A(プライベート・アクトレス)』だと思います。
他にも著書は多いんですが、
ラストに不満がある話も多いし、
あと、絵柄が古い上に体型のデフォルメが過ぎる
(これはすごく気になる点なのですが、
『P.A』の「夏色のモンロー」の扉の志緒の身体はきれいだった!
・・・描けるんじゃないの)とか、
青年以上のおやじが下手とか、
消化不良で終了する話が多いとか、
もっと最後に余韻が欲しいとか、
いろいろいろいろいろいろあるんですけど、
それでも、好きみたいです(苦笑)

ちなみに、赤石作品には2人、
「あずみ」という名前の女性キャラが出てきます。
暇な人、探してみる?(笑)

さてさて。
帝や緋夏のネクストジェネレーションものでも妄想しながら、
お裁縫もしましょうかねえ?


2006/03/02〜03

PCの電源すら入れずに、
ひたすらお裁縫三昧。
飽きたら、『ワン・モア・ジャンプ』を読み、
一段落したらお裁縫に戻り・・・
をエンドレスで繰り返します。

ひな祭り当日までに完成は無理なので、
4日にお呼ばれの「ひなまつりパーティ」を目指します。

・・・ずっと正座してるせいで、
膝が痛いです(泣)
でも、正座が楽なんだよ・・・。

薔子の着物は、
候補3でGoサイン。

柄は梅だけど、色がひな祭りにいいかと。
紋錦紗っぽい生地で、
元は子供の一つ紋ありの小紋着物でした。
この濃いピンク(いかにも化学染料の色よね〜笑)は、
薔子のイメージカラーでもあります。
色だけ見てても、派手です(苦笑)
長さがそのままでは足りなくて、
結局接いで縫いました。
裏地は、紅絹。


着物に合わせて、
帯も新調です。
帯は、子供用の袋帯でした。
こちらもきれいな色です。
金の鳳凰柄。
黄緑系の帯は、赤系の着物とも相性がよくて好きです。
前から欲しかったのよね。

しかし。
布地が擦れるのでしょう。
右手の人差し指(の中指側)が痛いです。
でもがんばろう・・・。
あと、もう少しです。


2006/03/04

お裁縫作業は、結局3月2日からスタートしたわけですが。
途中まで、3兎を追っていました。
もちろん、薔子のひな祭り着物が最優先ではあるのですが、
2月の着物も途中放棄していたので、
それもなんとかしたいし、
ベッツイー用のウィッグや靴や服も届いたので、
菜々実にも着物を作りたいし・・・。

ということで、
それぞれを途中の身頃完成と袖口布付けまでやってしまいました。

しかし、やはり3兎は時間的にも厳しく、
2月の着物が割を食ってしまいましたとさ。
もう3月だってば・・・(汗)

まあ、それでも、
薔子のひな祭り着物と菜々実の着物は完成。
同じ帯を使って、
大小の帯も完成。

着付けして、小物合わせて・・・
と、これも案外時間のかかる作業です。
丁度いいものがなければ、
新たに作らないといけませんし。
おっと、髪飾りが合うのがなかったので、
リボン作らなきゃ(汗)

同伴予定のせいらと、
留守番の鈴子も着物にお着替え。
女の子の着物姿、揃うと愛らしいわ♪

・・・気のせいか、
留守番決定のえみるが、
こちらの様子をうかがっているような視線を投げかけています。
でも、君は男の子の範疇だから。
ひな祭りは、女の子のお祭りだから、ね?

睡眠は諦めて、入浴と自分の支度もして。
かなり「余裕」だったのですが。
どうしても持って行きたい小物があって、
それの発掘作業をしていたら、
大汗かいても出てきやしません。
ぎりぎりまで探しましたが・・・。
どうせ、後でいらなくなってから出てくるんでしょうよ(ぷんぷん)


さて、本日は、八雲邸でのおひな祭りです。
遠路(苦笑)たどりついて、
大きい人は美味しいお昼をご馳走になります。
その後、場所を移して、おひな祭り本番でございます。
ホスト役の櫻子ちゃん、茉莉花ちゃん、小百合ちゃん、
3人お揃いのお着物でお出迎えです。
禿を連れた太夫のようでもあります。




たいへん、華やかでしょう?
もう、オーナー皆、この勢揃い時点でうっとりしてしまって。
眺めてまったり。
お菓子をつまみ、おしゃべりをし、
時々撮影して。
あっという間に時間は過ぎます。

撮影は、手ブレがものすごく、
使えるものがわずかしかありませんよ。
しくしくしく。



うちからの参加者。
これでもシャープかけてるんです(汗)

薔子の持ってるうさぎも高瀬作です。
帯と帯締め以外は正絹です。
ちりめんのうさぎ、綿を詰めすぎて、ぱんぱん・・・。
改良版を作るつもりが、
未だ実現してません(汗)

時間があったら、
せいらにも、やっぱり薔子とお揃いで作りたかったな・・・。

そうして、日も暮れて。
きれいに星の見える会場を後にします。
寒いね、やっぱり。

さて、帰ったら、うちでのひな祭り撮影です!


2006/03/05

八雲邸より帰宅して、慌てて我が家のひな祭り撮影です。

遅い?
世間では、すっかり片付けられているというのに?

いいんです。
高瀬はもう、今更だし(苦笑)、
薔子を嫁にやる気はないしー(笑)
あと、旧暦を採用するなら無問題だしー(爆)
実際、撮影が終わったら、即効で片付けましたし。
・・・出しておく場所、ないんだもん(汗)

トップ画像(とこの下)に写ってるのが、
去年入手した高瀬のおひなさま。
おすべらかしが解けてしまったので、
垂れ髪に変更。
増毛もしました・・・(苦笑)
足りなかった天冠、お内裏様の勺と冠も入手。
なかなか美男美女だと思いませんか?



ちなみに、背景として写ってるのは、
やはり去年入手したひな祭りの軸ものです。
そんなに古いものではないかと思いますが、
いい味出してるんですよ。
図柄が明治っぽいかな。
お気に入りです。



この軸に合わせて、
お雛様とお内裏様の位置を統一しました。
個人的には、
関西風の、お雛様が向かって左の方が落ち着くんですけど。

さて、
八雲邸にお邪魔したのは、
薔子、せいら、おまけの菜々実(ベッツィー)です。
本来、鈴子同伴が正しいのですが、
鈴子の晴れ着がなくって・・・(汗)

我が家のひなまつりには、
普段着着物で参加。
寝てますが・・・(苦笑)

鈴子の着物は、『道楽企画』さまに依頼したもの。
ちゃんちゃんこは自作です。
せいらサイズを作ろうと試作したら、
大きすぎて、ミニっ子にジャストサイズ。
試しに鈴子に着せたら、気に入ったらしく
(猫だから、あったかい方が好き)
パジャマの上、洋服の上、着物の上・・・
と、必ず着たがります(苦笑)。



背景に写ってる膳、食器、三宝、高杯が、
先月入手して磨いた木製漆塗りのものです。
お箸もあるのよ♪
(本当は、あと1組ずつあるのですが、
全部は広げられなかったので・・・)
ただ、食器はやはり小さくて。
SDサイズの蛤の代用品なら、アサリだろうと用意したら。
・・・蜆でよかったじゃないか(汗)

ちなみに、膳の中身は、
ちらし寿司、野菜の炊き合わせ、太刀魚の煮物、
ほうれん草の白和え。
・・・あんまり意味ないし(泣)
しかも、自分で作ったものないし(苦笑)

ところで。
薔子とせいらのお雛様は見つかったのですが、
鈴子のお雛様がありません。
買って用意してたつもりですが、
あれは気のせいだったのか・・・?(汗)
陶器のうさぎ雛は、まぼろし・・・?(滝汗)


「・・・じゃあ、あたしのお雛様をすずちゃんにあげる」

「薔子?」

「だって、あずみさん、
あたしにはそのうち、もっといいお雛様用意してくれるって、
言ってたもん。
あたし、覚えてるの」


「えっ・・・!
(なんとなく覚えがあるような・・・汗)」

来年までに探しておくよ、薔子・・・。

おまけ。
雛の膳を狙う菜々実。
(我が家の初ベッツイーです)



菜々実の着物は、
一番出したいと思った「鶴」を上前裾に出せたのは良かったのですが、
思ってたより可愛くできなくて、ショック。
でも、袖付けとか、身八つ口が大変だったので、
当分このままです。
ウィッグも、ストレートロングな黒髪も用意したのに、
前髪が多すぎて使えやしない。
しくしくしく。
このツーテイルが我が家でのデフォになりそうです。


2006/03/14 3:28

「あずみさん、あずみさんってばっ!」

「う〜。ぐるぐるぐる・・・」

「駄目だな、これは。
ヒトであることを放棄してんぞ」


「なごなご・・・うな〜・・・」

「どうしよう?
あずみさん、ずっとこのままだったら・・・(ぐすっ)」


「まあ、そのうち、どうにかなるだろ?」

「京都ドルパだって、お花見だってあるのに」

「京都ドルパまでには、正気にかえるんじゃねえ?」

「あたし、おひな祭りから、
お着替えもしてもらってないのにっ」


「重症だよな」

「このままじゃ、新作も望み薄よね・・・」

「ふにゃふにゃふにゃ・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


すみません。
ものすごく、情緒不安定が続いていて、更新もままなりません。
春先は、なりやすいんですが(汗)

そういう時は、たいてい、
漫画やら小説やら、
活字の世界に逃げ込んでいることが多いです。
今回も、その例に漏れず・・・。

まず。
発売日を一月勘違いしていた、
須賀しのぶの『流血女神伝・喪の女王(3)』から始まります。
今回も内容が濃く、先の気になる展開でした。
しかし、当分続巻は出ません。
須賀さんの本なら、それほどはずれはないので、
これまで未読だった、
『ブラック・ベルベット』(1〜3)
『虚剣』
に手を出しました。

『ブラック・ベルベット』も楽しく読みましたが、
これはまだ続巻が出るので、
その時でも。
今回、取り上げるのは『虚剣』の方です。

江戸時代初期、尾張柳生の麒麟児と呼ばれた、
剣正、柳生連也斎の若き日の話です。

剣豪小説の少女向けレーベル、というか、
入門にはいいかと思いました。
とにかく、読みやすい。
そして、私がこれまで触れてきた数少ない時代小説との齟齬もなく。
さらっと読めてしまったわけですが。

ここでふいに、江戸柳生に関心が傾いてしまいまして・・・。


柳生一族と言えば、時代ものではかかせない、
レギュラーの一族です。
ま、陰謀、謀略関係なら、実力の尾張柳生より、
江戸柳生が本領発揮・・・と言ってしまってもいいかも(苦笑)
ドラマなどでも、
柳生但馬守宗矩(むねのり)が、秀忠、家光配下で、
悪巧みしてるのが、デフォというか・・・。
いえ。宗矩パパは、昔から好きだったんですよ(笑)

その息子の柳生十兵衛三厳(みつよし)、隻眼の風雲児。
時代物では、宮本武蔵と並んで、ヒーローとしても有名なんで、
それなりに今までも読んでたりしましたが。
正直、好みでない(苦笑)ので、
あまり熱心に読んだ記憶ってなかったんです。

ところで、今回。
ひっかかってしまったのですよ。
いえ、十兵衛ではありません。
私がひっかかったのは、十兵衛の弟、柳生又十郎宗冬でした。

一見、好人物で。あまり剣術は強くなく、
でも、実は、ひとくせあるんだよ〜
という宗冬。

なんとはなしに彼が気になったので、
リアル本屋&古本屋と、ネット検索の旅に出ることにしました。

さすがに、十兵衛なら主役張ってるものは多いのですが、
宗冬だと、たいてい脇役です。
それはもちろんわかる気がするのです。
十兵衛の方がエキサイティングだし、ドラマ作りやすいし、
判りやすい上に、魅力的な人物であるのは間違いないし。

辿り着いたのは、まず漫画でした。
JET氏の『柳生剣鬼抄』(朝日ソノラマ・コミック文庫)
メインはもちろん十兵衛なんですが、
宗冬(又十郎)の主役短編発見!
「よろずの剣」です。
他の作品の中でも、ほぼイメージ通りの脇役っぷりに満足の1冊でした。
しかし、JETさんの十兵衛への愛が溢れまくってますな(笑)

その次が、小説。
隆慶一郎の『柳生非情剣』(講談社文庫)
短編集なのですが、
宗冬が脇役だけでなく、主役にもなってる短編もあって、
満足いたしました。
柳生一族の人物関係も、おかげでかなり把握できたし。

隆慶一郎は、アンソロジーかなにかで、
読んだことはあるとは思うのですが、
峰隆一郎とごっちゃになってたみたいです(汗)
でも、隆氏の作品が気に入ったので、
引き続き読もうと思います。
とりあえず、
『吉原御免状』『かくれ里苦界行』
読んでみようと思います。


ところで。
ここ数日かけて検索して、あちこちたどっていくと。
1年くらい前に、柳生十兵衛ものの面白そうなドラマ放映
(『柳生十兵衛 七番勝負』:NHK)してたとか、
劇団☆新感線が舞台化(それも『吉原御免状』かよ・・・泣)してたりとか、
なかなか悔しい事態でした。
まあ、関心がないときはないから、
仕方ないんですけどね。
でも、今後は要チェックです。


蛇足ですが、江戸柳生を継いだのは、宗冬です。
十兵衛と左門友矩(とものり)の兄二人は、死んでしまいますし。
(弟には、義仙(烈堂)がいます。
彼も、悪役として、活躍してますよね。苦笑)
一旦は旗本に落とされた宗冬ですが、
将軍家指南役としてつとめ、1万石の大名に返り咲いています。
大器晩成なのか、漁夫の利なのか。

そうして。
ここ数日ですっかり柳生関連に詳しくなってる私なのでした・・・。

はやく にんげんに なりた・・・。


2006/03/19

だいぶ、日数がたっております・・・(汗)
記憶が全面消去される前に、ささやかながら、京都ドルパレポなど・・・。


しかし、始まりは19日になったばかりからです。
帰宅したのが、既に1:00前だったしね・・・。

さて。この日、身体が冷えていた私は、
何はともあれ、入浴タイムに突入しました。
・・・お風呂からあがったら、4:00でした。
あれ???

まあ、ゆっくり入浴できる時間があるときなら、
結構3時間はざらに入ってるのですが。
この日は、腰湯しながら妄想全開。
永らく放置していたオリジナルの物語(異世界ファンタジー)の設定が、
何故だかぼこぼこ沸いてきまして・・・。
面白くなって突っ込んでたら、2時間は軽く過ぎておりました。
今まで影の薄かったヒーローが自己主張始めたり、
便利な脇役少年が、変人系青年にチェンジしたり。
設定からやり直しだよ・・・。
しかし、いつになったら書き始められるやら(ため息)

そんなこんなで、AM4:00。
髪をかわかして、ぼーーーっと髪をとかしてたら、
何故か5:00。
さらにぼーーーっとしてたら・・・ろく・・・(むにゃむにゃ)
ええと、仮眠とります、はい。

さて、地元ですから、高瀬はいろいろなめきっていて、
目覚ましは8:00にセット。
ところが。
7:20、7:35
2件のモーニングコールをいただきました(爆)
2件、別の方からです。
このたたみかけるような絶妙なタイミングに、
目覚ましが鳴るより前に完全覚醒した私の姿がございました。
寝なおしませんでしたよ、さすがに。
このモーニングコールがなかったら、
目覚まし鳴るまで寝て、目覚まし止めて2度寝していた可能性は、
あまりにも高かったです。
寝ぼけてる時って、理性ないしな・・・。

まあ、そんな愛(?)のモーニングコールで起き出した私が、
真っ先にしたのが、
薔子とせいらのお着替え。
今回、ドレスでイベント参加。
新作着物もないし。
まだサイトでも紹介してないドレス姿だし。
ひらひらふりふり、ただし、超絶に派手(苦笑)
同伴のえみるは、着替えもなしに、普段着でバッグに放り込まれましたが。

さて、自分の支度。
この日は、気温がそんなに上がらないとか、
降水確率が高い(実際、外は雨だった)&雪マーク付きだったため、
ポリの着物で行くことに決定。
もそもそ支度してたら、あっという間に9:00過ぎてるし(汗)

会場が、乗り継ぎの悪いところだし
何よりお嬢連れだし
問答無用でタクシー乗車。
ああ、京都でイベントって、これできるから最高よね。
しかし、運転手さん。
私に道聞かれてもわかりませんってば(汗)

なんだかかんだで、会場には10:00過ぎに着。
一般列はどこ〜と進んでいくと、
並んでいるヒトの中に、次々とお知り合い発見。
皆様、寒そうでした。
高瀬は、着物だし、羽織とケープ付だし、手袋まで完備で
結構ぬくぬくでしたが。

そうして、並んでいるお友達とおしゃべりした後、
丁度やってきたお友達と最後尾に並びます。
・・・割り込みはしませんよ?

ところで。
17日に、会社帰りに大阪SRに寄りました。
目的は3つ。
ポイントカードの期限切れの更新、
VS会員の更新、
そしてガイドブック。
しかし、ガイドブックは売切れ・・・(泣)
当日購入できるのはわかってたけど、
持ってないと、
微妙に会場入りの時間が余計にかかるから、
先に欲しかったのよね。
大阪SRでは「里には残ってるようですが」
・・・18日、休みじゃないですってば(泣)
幸い、18日に里に行く人の心当たりがあったので、
購入をお願いしておく。
しかし、この頼んだガイドブックが、
高瀬の手に届くことがなかったのは、
また別の話となります。
ええと、皆様もお酒には気をつけて・・・。


開場してしばらくして中に入って。
今回、まったくチェックを入れてなかったので、
特別の目的は、ない。
ふらふらしてると、偶然お友達のブースに辿り着いたので、
キャリーバッグ(薔子入り)を預けて再び回遊続行。

へろへろ回遊をする。くまなくディーラーブースを見て回る。
デザイン&色、値段、サイズ、
いいものは、既に売切れ続出。
皆、早い・・・。
そしてまた、これはいいと足を止めると、
たいてい予算オーバー。
なんだか最近、イベントの出品作も、
値段が上がってるよな、としみじみ。
オークションなら納得できても、
イベント直接販売品は、もう少し懐に優しいと嬉しいです・・・。

今回も、くろすろーどの「アリス」と「シンデレラ」柄の布を使ったドレスを
複数発見しました。
この二つは、柄の可愛さもさることながら、
柄のサイズもドール向きなのよね。
自分でも早く作らないと・・・(汗)

回遊してると、お弁当を買いそびれたのが、
今回1番痛かったかもしれないです(泣)
結構、残ってたみたいなのに・・・。
去年、この会場でやっぱりお弁当を買えなくて、
2Fのレストランもいっぱいで無理で、
祝日で近所のお店も軒並みお休みで・・・
と、痛い目にあっていたので、
会場販売のシフォンケーキ購入して、お腹をごまかしました。
あかん。全然足りひんよ・・・(泣)

高瀬の主義なんですが、
SDはイベントに同伴しますけれど、
出して連れまわすのは、13:00以降と決めています。
着いたら、買い物優先だし、
買い物がある程度決着つくまで、
抱いてると本人も買い物しにくいし、
2時間過ぎたら、会場内も人がだいぶ減って動きやすくなるしね。

今回、珍しく、クイズ、アンケート、ビンゴとフル参加。

クイズ、全問正解はできなかったけれど
(たぶん1問間違えた)
商品が「ドラ焼き」と知っていれば参加しなかったかもよ。
いくら全問正解者全員に何かプレゼントするための苦肉の策だとしてもね・・・。

ビンゴはダブルリーチまで行ったけど、無念。
精天使や、今回発売のドールが欲しかったんじゃない。
私の目的は、ドレスセットだったのだよ。
会場でも今回あまり薔子に買い物してやれなかったし、
男の子のものが当たっても、義高の土産になるし。
(あんまりカッコいい服だと着せられないけどね・・・)

アンケートは、後日ネット発表ということだったけど、
発表がいつだったか思い出せない(汗)

アンケート内容で、
「お好きなシリーズは?」
(東京少年物語、銀貨の誓いその他)とあったので、
大きく。

スタンダード

と書いておきました。
限定ばかりが魅力じゃないもん。
うちの姫はスタンダードだもん!
でも最高に可愛いもん!
反論は認めん(笑)


まあ、そんな感じで閉場するまでおりました。
京都駅に出て、お友達2人とご飯とお酒。
18:00くらいからご飯して、そのあと場所を変えたのだけれど、
別れたのが22:00。
・・・腐女子な会話は尽きないってものよね(苦笑)

久々のお友達にも沢山会えたし、
飽きるまで(笑)会場を回遊できたし。
イベントの規模的にも、
京都ドルパくらいが、私は1番好きです。
東京の本ドルパは広過ぎて、回りきれないし。

翌日、両肩のこりと、両足の筋肉痛に悩まされたのは、
言うまでもありませんでした・・・。


今回の戦利品

高瀬用猫ぬいぐるみ(以前Mythに出品されてたモリリンさまの作品です。
色違いというか、毛色違いをGETいたしました。
目つきと肉球がたまりません!)

SD用ノースリーブドレス 霧雨工房さま
SD用ボレロ&ワンピースセット チョコレートさま
幼SD用半袖ワンピース 梅菊堂さま
幼SD用カジュアルセット×2 ねこの手工房さま
ドール用樹脂ボタン アルフィリア邸さま



2006/03/21

ものすごく唐突に、『十二国記』が読みたくなり、
本の山を漁りました。

小野不由美の中国ぽいファンタジー。
出て来なかったとは言いません。
滅茶苦茶中途半端な結果でしたが。

出てきたのは、
3『月の影 影の海(下)』(ホワイトハート版)
5『風の海 迷宮の岸(下)』(ホワイトハート版)
7『風の万里 黎明の空(上)』(ホワイトハート版)
11、12『華胥の幽夢』(ホワイトハート版・講談社文庫版)

・・・せめて、上下巻揃って出てきて欲しいものです(泣)
本の前につけた数字は刊行順で。
『華胥』がふたつ数字があるのは、
その前の刊行の『黄昏の岸 暁の天』が、
講談社文庫版では全1冊だけど、ホワイトハート版では2分冊だからです。

とりあえず、あるだけ読みました。
やっぱり我慢できそうにないので、
明日、少し追加購入しよう・・・。

ちなみに、朱衡が贔屓ですが、
一番は六太かもしれない・・・(汗)

どうでもいいですが、
あと何年待てば、続きが読めるのでしょう。
戴主従も浮かばれませんな(死んでないけど・・・)


2006/03/23

『十二国記』を探すため、ひっくり返した本の山。
その中から出てきた恩田陸の『木曜組曲』を久方ぶりに再読。

恩田陸が好きです。

『六番目の小夜子』を始めて読んだ時の衝撃はわすれられません。
何せ、ハードカバー、文庫初版、文庫改訂版と3冊持ってるくらいです(苦笑)

好き過ぎて読み返せないけれど
心の中に刻みこまれてるのが
『ネバーランド』
あらゆるところでツボにはまりました。

他にも好きな作品はいくつかあるけれど、
恩田作品で3つあげろと言われたら、
3つ目は、絶対、『木曜組曲』と答えるでしょう。

『六番目の小夜子』『ネバーランド』は、
共に少年少女の青春の物語でもあるけれど、
『木曜組曲』は、かなり趣が変わります。
地味と言えば地味かも。


重松時子という作家がいた。
耽美でペダンティックで重厚な物語を生み出す天才だった。
しかし、4年前、彼女は不意に死に至る。

時子の周りには、5人の女たちがいた。
デビューから彼女を見出し、育て、支えてきた編集者のえい子。
時子の異母妹の静子=出版プロダクション経営。エッセイスト。
静子の母方の従姉妹である絵里子=大学講師。ノンフィクションライター。
時子の弟の娘、尚美=主婦。サスペンス作家。
尚美の異母妹のつかさ=歯科技工士。純文学作家。
彼女たちは、重松時子という異才の影響を受けた、
「書く」ことをやめられない女たちでもあった。

毎年、時子の屋敷に集まり、
共に過ごす2月の3日間。
4年目のその時、
彼女たちは、時子の死と向かい合うことになる・・・。


舞台は、時子の屋敷「うぐいす館」。
そこから動くことはない。
女たちは、さかんに食べて、飲んで、辛辣さのある会話をする。
行動としては、本当にそれだけ。

それぞれ胸の底に秘めていた(もしくは気付かずにいた)
時子への本音や真相がぼろぼろ出てくる。
皆が皆、「観察者」の目を持っているから、
その会話は怖いくらいだ。
心理サスペンスの一種とも言えるかもしれない。
確かに、時子の死の真相を探る、
ミステリー要素もあるのだけれど、
この作品は、
どんな局面においても
書かずにはいられない業を持った女たちの物語だと
私は思っている。

専業作家になって以来、
恩田陸は、追いかけられなくなったので、
最近は新刊が出ても読んでないのよね。
『夜のピクニック』早く文庫落ちしないかしら・・・。


2006/03/24

茅田砂胡の『デルフィニア戦記外伝・大鷲の誓い』入手。

ナシアスは、あまり好みでなかったので、
本編ではそう注意してなかったんだけど、
結構な性格だったのね。
ちびバルロはらしくて可愛かった。
エンディングは・・・後日譚が読めたから、少し満足。
ただ、外伝というなら、
バルロがウォルになついたあたりも読みたかったかも。

次はレディ・ガンナーだな。


2006/03/25

梨木香歩 『春になったら苺を摘みに』(新潮文庫)読了。

この人の『からくりからくさ』(新潮文庫)が好きで好きで。
文庫になってる分はフォローしてきたんですが、
文庫初のエッセイです。
主に、イギリス留学時の下宿先の女主人との友情(?)を軸にした、
大変真面目なエッセイです。
しかし、やはり、あの小説を生み出した作家だなあ、と
折々感じさせられました。

ロンドンに旅行に行ったことはあるけれど、
短い滞在(6泊8日)だったし、
美術館だの買い物だので、あっという間。
美術館だって、テートギャラリーにさえ行けてないし。
もっと日数が欲しかったものです。
このエッセイで触れられているような異文化との交流などまるでなし。
だいたい、交流できるだけの英語力がない・・・(汗)
帰りの飛行機で、ユダヤ人の家族連れを見かけて、
「ほ〜」と思ったくらいでしたね。
異国の小さな女の子(に見えたであろうこと確実)には、
英国の方たちから親切にしてもらった記憶しかないです。
ただ、滞在中1番美味しかった食べ物が、
屋台のインド人の出してたカレーだったあたり、さすがだわ(苦笑)

そうして、ただ遊びに行くことと、生活することは、やはり別で。
判ってはいるけれど、
外国で「生活しよう」とは思ったことはないです。
1ヶ月くらい遊びで滞在したいとは思っても。

生活するなら、コミュニケーションが必要なんですが、
私は興味のない相手とのコミュニケーションが
かなり苦痛になるタイプなので。

だから、梨木香歩さんのような体験をすることも、
彼女が出会ったような人たちとめぐり合うこともないでしょう。
かなり損をしているとは思うのですが、
今更性格変えられませんし。

ただまあ、こういったものを読んで、
感じること、考えることはできます。
久しぶりに真面目に考えた気がします。

1番印象に残ったのは、
あちらで出会った友人の
「不幸になることを選ぶ自由もある」
(手元にない=埋まったので、だいたいこんな文)
といった言葉でした。
深いな・・・。


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