Girl In the Fortress
〜要塞の国の〜
あとがき・種明かし


コンセプトはタイトル通りなのですが、
2004年10月にNHKのみんなのうたで流れた『月のワルツ』(諫山実生)に惹かれて。
その歌詞をそのまま使うことはできないけれどオマージュのように作ってみたいと、
ずっと思っていたのです。
そのロケ地はネットで知ったこの場所しかない、と心に決めたものの、
なかなか条件が厳しく、実現には至らぬまま更に約2年――。

今回、待望の得難い同行者を得、2010年5月31日にめでたくロケを決行いたしました。
和歌山県和歌山市加太友ケ島。知る人ぞ知る由良要塞友ケ島地区第三砲台跡です。
紀伊水道に浮かぶこの無人島は、第一から第五までの砲台が築かれた要塞の島でした。

元々、廃墟好き.
ただ湿潤な日本の廃墟というのはドール撮影に向くとはお世辞にも言えないのですが、
ここは日本家屋ではなく、レンガ造り。
しかも街中から遠く、連絡船でしか渡れない無人島ですから、心無い輩の蹂躙もなく。
夏休みや土日を避けた午前中であれば、誰に見られることなく撮影に専念できると踏んだのです。
大正解でした。

戦争遺跡には違いなく、当時は多くの兵がこの地にて働いてはいたのですが、
幸いここは戦地にはならなかったというのも、大きなポイントです。
そうでなければさすがにドール撮影は申し訳なさすぎますから。

できるだけ人の来ない朝に撮影すべく、加太港9時発の連絡船に乗りました。
そのため始発の「はるか1号」で天王寺まで乗車、新今宮から和歌山市まで南海急行。
加太線に乗り継ぎ、うねる港までの道に迷いつつ何とか乗船。
20分後、島に上陸するとメインの第三砲台向けてまっしぐら。
おかげで、誰はばかることなく思う存分撮影ができました。
平日ということもあり、島ですれ違ったのは最終16時発の連絡船に乗るまで、
伐採のための一群を除くと僅か4組という結果でしたが。
(ちなみに加太の温泉旅館にこの日宿を取りましたが、我々以外宿泊者おらず)

参考にさせていただいたのは以下のサイト様です。
「加太の要塞」http://www.kada.jp/fujiya/hodai/
「要塞の島/友ケ島探検」http://www.geocities.jp/tomogashima_yousai/index.html
「和歌山市加太観光協会」http://www.kada.jp/

薔子のエステとメイク変更後第一弾のロケとなりました。
内容が内容ですので、
基本笑顔の「のの」である薔子の表情が楽しそうでない画像を狙ったつもりです。
実際は――モデル気分満載の薔子姫は得意の絶頂でございましたとさ。

2010年水無月 高瀬あずみ
              and Special Thanks  Hokuto Shirase
展望台にて。

薔子の衣装はアリス服以外にありません。

うさぎはテディベア作家のモリリン様製作。
エステで色白になって上機嫌のモデルさん。

第三砲台掩蔽部 (えんぺいぶ)にて。
うさぎ(?)、無事確保。

小展望台にて。
ひとりぼっちの
要塞のアリスを
いつの日か
天使が迎えにくるのです……。
(受胎告知に非ず)
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