Someday・・・

大好きなご近所のおねえさんがお嫁にいくの。
きれいで優しい素敵なひと。
憧れのジューンブライド。

「おねえさん、おめでとう!」


「ありがとう、薔子ちゃん。
ね、薔子ちゃん、私のブライドメイド、やってくれない?」


「そんな大事な役、あたしでいいの?」

「薔子ちゃんがいいの!」

「嬉しい!あたし、がんばっておねえさんのお手伝いするね!」
ブライドメイドは、花嫁さんの親しい女性がなるの。お友達や親戚とか。
外国では、お式の準備もするんですって!
でも、あたしのお仕事はおねえさんのお隣に立って、お花を渡すことなの。

ドレスを着てかなくちゃ!


「ちいさな花嫁さんみたいにしてきて頂戴」

おねえさんのリクエスト。
ほんとは、花嫁以外はタブーな白いドレス。

着るならこれかしら?
あずみさんが作ってくれたワンピース。

でもこのままじゃ・・・。


「大丈夫。ちゃんと可愛くしてあげる!」

あずみさん、お願いね?
それは、
奇跡のような6月の晴れ間。
緑の中のガーデン・ウェディング。
ちょっと髪飾りをゴージャスにして。
背伸びしたパールのネックレス。

花嫁さんみたいに、後ろにトレーンをつけたの。
いよいよ本番。
あたしもおねえさんと一緒にどきどきしたの。
一生懸命お手伝いしたわ。
みんな、「かわいい!」って、言ってくれたの。

でも。
おねえさんは、もっともっと素敵だったの。誰もがため息ついて見とれるくらい・・・。
お式のあと、おねえさんに呼ばれたら、

「今日はどうもありがとう、薔子ちゃん!こんなに可愛いブライドメイド、見たこともないわ!

ブーケはもうお友達にあげてしまったけど、どうか、このベールを受け取ってね。
薔子ちゃんも、いつか、素敵な花嫁になれますように・・・」
憧れの白いベール。
花嫁さんだけに許される白いベール。
まだ、あたしには早いけど、ちょっとかぶってみてもいいかな?
花嫁さんに見える?
いつの日か、こんな風に。
誰かと並んで、祭壇の前。
永遠を誓う、そんな日がくるかしら・・・?

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