お迎え顛末記

蝶子〜必然という名の誘惑〜


そもそも、私が「ちいさい薔子」を作ろうと思ったのは一度や二度ではない。

薔子はお迎え以来、
常に私の中で寵愛No.1の座を守り続けている最愛の姫だ。
でも、「ちいさい薔子も可愛いだろうなあ」
何故そう思ったかはわからない。
でもそう思ってしまったのだもの。


最初はドルフィープラス。
ボークスが初期子を1/6で出していたからだ。
巫女ののはかなり揺れた。
しかし、あのサイズであの価格はないんじゃないか?と断念。
薔子をエステに出して、薔子不在の淋しさに耐えられず、
自力でドルフィープラスのカスタムに挑戦したが、
腕がイメージについていかなかった。

次にMSDで考えた。
あきら。
MSDではじめて、釣り目だった男の子。
はまったとも、はまったとも!
でも表情が違う。
迷ううちに鈴子がうちに来てしまった。
薔子とお揃いのウィッグ。薔子とお揃いの着物。
でも、鈴子は鈴子にしかならなかった。
後日、あきらの義広をお迎えするが、
「男女ワンペア」の法則に従い、
「ちいさい薔子」にすることはできなかった。

LeekeのCHINGを知って恋焦がれ、
ようやく手元にやってきたせいらに、
やはり薔子とお揃いのウィッグや似たアイを準備したが。
せいらはせいらになってしまった。

鈴子もせいらも可愛いうちの子だ。
でも薔子じゃない。


ボークスが次々と幼っ子を発表するようになって、
「幼ののが出たらいいのに!」
と思ったのは当然だろう。
数年後、それは実現する。

ただし、感謝祭限定で。


懐具合とスケジュール。
両方から駄目出しをくらっての不参加。
参加するお友達もいたが、顔を思い浮かべると、
皆、幼ののをお迎えするような気がして、
変な遠慮をして言い出せずに終わる。
少々、後ろ向きだったのだね。
後で散々、「何故、あの時言わなかった!」
と、ありがたくも言ってもらえることになるのだが。

発売されたのだから、持っている人は当然いる。
里などで見るたびもだえる。
さすが圓句さんの造形だよ!


もだえて、もだえ続けて。
ほぼ休止状態だったドールライフを再開するにあたり、
mixiで今更ながら幼ののが欲しいことを書いてみた。
そうしたならば仲介してくれるお友達が!
しかも先方は知らない人ではなかったので話はとんとん拍子にまとまり、
3月も終わる頃、ちいさなののがやってきた。


大きな瞳をくるくるさせて。
人見知りなどもまったくなく、
たちまち馴染んだその子を、蝶子と名づける。
好きな名であること、そして
「ち」いさいし「ょうこ」
とも取れるから。

お迎えのその日から、既にめろめろであった。
何、この可愛さ!!!

他のドールもそうだとは思うけれど。
オーナーの贔屓目かもしれないけれど。
ののも幼ののも、「愛されるための造形」だと実感する。
その大きな瞳をきらきらさせて見つめられて、
愛さずになどいられるものか!


薔子をお迎えして8年が過ぎ、蝶子がやってきた。
ドールライフは遠くなるのではなく、
ますます深くなるばかりだ。