お迎え顛末記
(1部せいらの顛末記と重複します)
その謎の封書が届いたのは、
11月のある日のこと。
たまたま休日(一般には平日)で、ごろごろと惰眠を貪っていた私の元に、
眠気さましがやってきました。
差出人は、「天使の里」。
封筒の中身の、
ギャグのような、同人のオリジナル設定書のような、
日本人らしい適当さに溢れたどうでもいい内容の紙・・・に、
ひとしきり笑ったあと気付く、
1枚の細長い紙。
ケーキセットのタダ券と一緒の
「幼天使ゆき 申込書」
「えーと。幼天使って、なんじゃ?」
紙質のせいもあり、
鮮明さに欠ける写真だけで判断しろというのは、
かなり不親切な気もするのですが、
そんな写真からでも、
「これは・・・Doll Leekeと同じくらいのサイズじゃないか?」
という予想がつきました。
このころ。
丁度、Doll LeekeのChingの購入に悩んでいた私は、
とっさに、
「Chingの代用品になるかも?」
とか思ってしまいました・・・。
それは、顔立ちとか雰囲気とかが違うのは予想がつきましたが、
馴染んだボークス製なら、
国内産という安心感があります。
海外通販に抵抗のある身としては、
まさに、
「渡りに船」のタイミングでした。
とは言え、最初から購入を考えていたわけではありません。
MSDより小さいのに、MSDの通常版より高価なのですから。
ただ、その里のイベント時期、
たまたま、紅葉狩りのために5連休をとっていたのです。
遠方からの友人たちも交えて、
里の紅葉を堪能したいなあ・・・
とかいう目論みが、このイベント期間と思いっきり重なっておりました。
「ケーキセットがタダで食べられるなんてラッキー♪」
どうせ、里に行く予定だったのですし、
せっかくの招待状を持参で里に向かいました。
ロビーの降臨台、ですか?
そこには、なにやらわらわらおりました。
幼天使と精天使の群れです。
手袋貸し出しで、触らせてもらうことができました。
「ちまいっ!」
やっぱり、以前見せてもらったDoll Leekeと同じくらいのサイズのようです。
そうやって眺めていると、
精天使よりは、今回予約販売される幼天使の方が、
どうも自分の好みのようです。
この時私は、
12月のドルパのガイドブックを購入しようと思っていました。
そこで、地下のショップに行くと、
レジにはそこそこの列が・・・。
そう。
通常のレジと、幼天使の予約が同じレジなんですよね・・・。
で、素直に並んだわけですが、
私の前も後ろも、
どうやら幼天使の予約するようなのです。
「魔が差した」
と言うのでしょうか。
つられるように、予約申込書に記入している私がおりまして(爆)
そのまま、申し込みしてしまったのであります・・・。
「天の時」というものがありますが。
幼天使は期間中、里でしか予約できません。
その時期に、たまたま休みで、
たまたま里に行く約束があって。
いくら、京都在住だからって、
こんなタイミングでその場に居合わせることになるなんて、
偶然にしろできすぎ・・・。
本音は、26cmのドールが、やっぱり欲しかったんだと思います。
「希少価値あるから、高値で売れるかも・・・?」
とか、アタマをよぎったのも本当ですが(苦笑)
その後、
お友達のLeeke Dollに骨抜きにされ、
本命のChingを購入してしまいます。
つまり、ちまいのが2体、確定したわけで。
我が家では、SDもMSDも、男女一組が基本です。
可愛がるのは圧倒的に女の子なんですが、
その大切な女の子を守る男の子が、
不可欠だと思うのです。
(「つがい」とか言ってたりしますが。苦笑)
さて、Doll Leekeの子は、女の子です。
では、もうひとりは、男の子、であるべきなんですが、
この時、Leekeさんではまだ男の子は未発表
(もちろん、ボークスでも未発表)。
そして、申し込んだ幼天使は、
天使だけに無性です。
「・・・でもまあ、
こんなちっこい子らに性別なんかあってもなくても変わらないし。
勝手に男の子に設定したっていいわけだし?」
カスタムも簡単そうだ(爆)
そんなこんなで、
幼天使は、我が家に来る前から、
なんとなく男の子のように考えていました。
だから、名前を考える時も、
Chingの「せいら」に合わせるなら「えみり」(エミリー)が正しい
(由来はもちろん、『小公女』です♪)のに、
語尾変化させて、エミール(『エミールと探偵たち』)にも通じるよう、
「えみる」
としました。
里で申し込んだのが、2004年の11月21日。
それから2月を過ぎて、
幼天使ゆきちゃん、我が家の「えみる」が到着しました。
その待ち時間は、
先住者となったChingの「せいら」に振り回された期間でもありました。
実際、2月だと言われていたけれど、
へたすりゃ3月だろうと、
まったく期待していなかった分、大慌てです。
ウィッグも、服も。
「せいら」用の女の子のものしかありません。
かろうじて用意してたのは、
男女兼用で問題ない黒いブーツのみ。
男女兼用でもいけるだろうと思っていた
チャイナトップスとブルマのセットは、
着用には問題ないものの、あまり似合わない・・・。
たまたま落札していたアリス服を着せ、
金髪ロングのウィッグをかぶせると、
怖いくらいにはまってしまいました。
待て。
目論みとちがうぞっ!
似合ってるし、他に着せるものもなかったので、
性別はあやふやなまま過ごしました。
さて。
幼天使ゆきは。
正直、私好みのお顔ではありませんでした(爆)
吊り目が好みなのに、垂れ目なんですから。
だから、果たして我が家になじむのか?
といった疑問が、私を悩ましました。
里子に出した方が、この子にとっても幸せかもしれないとまで。
しかし。
日々が過ぎていく中で。
いつの間にやら、その存在が、せいらの横にいるのが、
あたりまえになってしまったのです。
「座敷童子・・・いや、座敷天使か・・・」
最初に顔合わせをした時から。
えみるは、せいらに満面の微笑み。
自分が見守る存在を
ちゃんと知っているように、
保護者のような顔をしておりました。
そしてまた、不思議なこと。
ちっさい子用に最初に用意した試作着物を着用させました。
赤いお着物です。
なのに。
その時から、男の子のような表情が見えてきたのです。
赤いお着物なのに!
その後、
うっかり袴など作ってしまったために、
なんとなく男の子より・・・が
加速したような気もします。
どうかな?凛々しい?
幼天使ゆきと言えば、
よそのゆきちゃんたちは、
きっとラブリー路線を進まれるでしょう。
しかし、我が家の天使は。
わが道を行く、
異端の、座敷天使として、
せいらを見守りつつ、
我が家に居座り続けるでしょう(笑)
・・・負けたよ、えみる(苦笑)
(タイトルは、「冷やし中華はじめました」みたいな感じで
お読みください。笑)
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