けふここのへに・・・

オークションにて「平安のお姫様セット」をayakacoさまよりお譲りいただきました!
落札できて、「もー、これでお雛祭り、やるしかないよね!!」とか思い込みまして(笑)。
ですが、袿(うちぎ)姿なので、これでは室内着なんです。
早く届けば、唐衣(からぎぬ)と裳(も)を作りたかった
(袿姿に裳と唐衣を加えた装束を裳唐衣と呼びます。
十二単というのは、本来は袿をたくさん重ねて着用したものの通称です。
裳唐衣が外出着、のようなものかな?
袿もあと4枚くらい重ねて五衣(いつつぎぬ)にしたいとこだけど)
とこですが、時間がありませんでしたし、
とにかく一刻も早く写真も撮りたかったので、3月4日、雪の中、ロケにでかけました。

場所は、衣裳にぴったりなところ。
落札できた時から、心に決めていた場所です。
『風俗博物館』です。場所は京都の堀川五条を下がったとこ、西本願寺の門前です。
(JR京都駅から徒歩20分くらい)

ここは、『源氏物語』にでてきた<六條院>(光源氏の大邸宅)の春の御殿の1部を
1/4のスケールで再現してあります。
お人形や調度品も揃えられ、季節ごとに物語に沿った展示がされます。
今回は「明石の姫君の裳着・光源氏の元服」でした。

ただし。薔子の撮影のため、建物や調度の雰囲気中心の撮影です。
『源氏物語』のファンの方、ミニチュア好きの方はぜひ1度、お尋ねください!
ただ、残念なことに日曜・祝日・年末年始はお休みです。
(問い合わせ:075−342−5345 午前9時より午後5時。一般入場:400円)
館内撮影自由です。受付で一応許可願いましたが。
展示や見学の邪魔にならないよう心がけましたが。


↑時代装束についてもわかりやすく、
非常に充実したサイトです。
これが「平安のお姫様セット」です!
木綿の小袖、
モスリンの張袴、
正絹の単、
正絹の袿(織り・袷)
です。


お節句なので
桃の花を持たせました。
髪飾り、
少女らしく前に垂らした髪を結ぼうと思ったのですが、ちょうど良いものがなく、「えーいっ、どうせ十二単じゃないんだし」と派手にいたしました(笑)


この画像、
薔子がいるのは
水の上なんです、
本当は・・・(汗)
ぷかぷか?
簀(すのこ=濡れ縁)に座って、もの思いにふける・・・。

遊ぶ少女達の
にぎやかな声を
聞きながら・・・。
高欄(こうらん=手すり)にもたれて・・・。
女童(めのわらわ)たちが<小松ひき>をしている様を微笑ましく眺めて。
階(きざはし=階段)に
腰をおろして。
斜め後ろからは
こうなっています。

おまけに付けていただいた扇に持ち替えました。
檜扇もそのうち作りたいなあ。
「なにやら
よい香りがするよう」



廂(ひさし=母屋の四周の細長い部屋)では、
伏籠(ふせご)で
衣に香を焚き染めていました・・・。
空を見上げて
舞い踊る雪に
眺めいる・・・。
すっかり、お姫様気分の薔子姫です(笑)
「女性は、殿方に姿を見られてはいけませんのよ?

ですから、このように
御簾や几帳の外に出ているのははしたないことなのですって。
でも、お外がよく見えないのですもの・・・」
「薫物合わせ(たきものあわせ)ですのね?
組み合わせでどんな香が生まれるのかしら・・・。わたくしも試してみたいものですわ」

「これはなあに?」

「双六(すごろく)だよ。
・・・平安時代のは、バックギャモンに似たゲームを双六って言ってたんだって」


『風俗博物館』では
1/1の展示も少し、
あります。
(コスプレもできます・・・)
これは女房(・・・マネキン人形)が双六をしている様です。


こうして見ると、
薔子って、「ヒトガタ」なのに、にゃんこのようだわ(笑)

1/1の世界では、
姫も素に戻るようです(笑)
なんて愛らしい
立ち姿(爆)
「やーん、
碁盤だわ〜♪」(すりすり)


・・・懐く薔子(笑)
平安時代、囲碁は高尚なものとみなされていたそうです。教養のひとつでもあったよう。
「にゃ?
一角獣さんなのー」
(なでなで)



・・・なでられて、嬉しそうに見えるのですが(笑)
「あんなに約束してくださったのに、あの方はおいでにならないわ。よよよよ・・・」

ってカンジですか(笑)

御帳台(みちょうだい=天蓋式ベッド)にて。
・・・なんか、狭くて落ち着く小部屋のようなんです(苦笑)
袿姿のマネキンさんのポーズをまねっこ(笑)
薔子は脇息に座ってるんですがね。
いかがでしたか?「薔子の平安のお姫様ごっこ」(タイトルちがう!)は?
なかなか良い風情の撮影ができたと思います。

この編集にあたって、『風俗博物館』編の『源氏物語 六條院の生活』(光琳社出版)を参照しました。
平安時代の建物・調度・生活・服装など、とてもわかりやすいです。私の虎の巻のひとつ(笑)です。

なお。今回のタイトルは
「いにしへの ならのみやこのやえさくら
けふここのへに にほいぬるかな」
からです。ま、なんとなくですが(笑)
京都だし、いいかなーっと。
ちなみに、読みは「きょうここのえに・・・」ですので(笑)

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