☆ 雛憧憬

注:今回、SDとはあまり関係ありません。

毎年、雛祭りが近づくと、憧れと胸の痛みがやってきます。

私は幼少時より大の人形好きでしたが、
うちには私の「雛人形」はありませんでした。
経済的にもスペース的にも無理だったからですが、
そんなこと子供に分るはずもなく。
ひなあられの紙箱に印刷されてたおひなさまを
切り抜いて飾っていたりしました。
泣けますね(笑)

小学生のころ、お友達のおうちでの
雛祭りにお招きいただきました。
お座敷に飾られた立派な七段飾り。
最上段のお雛様は、私にとって、まさに雲上のひとでした。
ですから、そのころは衣裳も簡素だけど
美しい三人官女に惹かれました。
それでも、自分だけのおひなさま、
欲しかったなあ。

長じてからは、あちこちで公開される雛人形を
拝見に行くようになりましたし、
八雲さまのとこで着物を着る口実(?)に
雛祭りをするようにもなりました。
主催者は八雲さまですが、アシスタントのような役割で
1999年から(記憶違いでなかったらですが)
毎年3月3日に行っています。
いや、私は料理はノータッチです(笑)
飲み物の準備や、小道具やお土産の作製してるんです。
去年から完全にSDに乗っ取られましたが(爆)

2001年、まだ薔子のお迎えをしてない春三月、
八雲さまと九州に旅行しました。
場所は柳川と筑後吉井、日田です。
(ほんとは八女も入れたかったんですが日程的にアウト)

完全に、二人とも全日程着物で通しました。
八雲さまはすでに何度もされてましたが、
全日程は私は始めてでした。
長野に二人で行った時は現地でのみ着ましたが。
単に。出発と帰宅の際の親の目が・・・(笑)
ずぶとくなったんでしょうか(苦笑)
京都では、人数が多いと注目されますが、
それでもまだ着物姿の人はけっこういます。
しかし。
旅行先ではおもいっきり目立ってました(笑)
年齢不詳の、姉妹には見えない、着物の二人連れ。
「何かある(イベントとか)んですか?」
「お茶会ですか?」
「踊りですか?」
「取材(何の!?)ですか?」
多かった質問です。
しかしさすがに帰りの福岡でたまたまシーズンだったとはいえ、
「卒業式ですか?」
にはまいりました(苦笑)

日程は、柳川1泊、筑後吉井1泊、日田2泊の4泊5日。

それより数年前に、雑誌でだったと思いますが
柳川の「さげもん」を知りまして、それ以来、ずっと行きたいと思っていました。
柳川は水郷の町です。
1日目は旅館周辺の商店街を歩き、2日目は水郷めぐりと御花周辺です。
「ごめんください、お雛様見せてください」
マップ片手にお店やおうちをまわりました。
わざわざ1度閉めたお部屋を開けてくださったり。
あたたかく迎えていただきました。

「さげもん」は、なんというか、圧巻でした。
私のイメージしてたより、はるかに大きく、長く、華やかでした。
あれを見ちゃうと「さげもん」なしの雛飾りは淋しいですねー。
「さげもん」は女の子の成長を願って、親戚の女性たちで作られる
吊るしかざり。雛人形の段飾りの前にさげられています。
丸いわっかから7本のひもから縮緬細工などが連なり、
中央には彩りも鮮やかな鞠。
細工ものも鞠の他、桃などの果物、兎などの動物、
おめでたい鶴亀、三番そう(←漢字が出ない・・・)、這う子、
果てはピ○チュウまで、なんでもアリ(笑)
どれもとてもあたたかくて、私はファンになりましたね。
特に、作り手によってお顔の違う三番そうにはめろめろ(笑)
自作しようと心に誓いながら、未だ実現しておりません・・・。
また行きたいな。

筑後吉井は九州のガイドブックでたまたま同期間
「おひなさまめぐり」という企画があることを知って、
日田との中間地点であったこともあり、ねじこみました(笑)
安くてなかなか良い温泉もあって、お徳でした♪

筑後吉井で印象的だったのは、「箱雛」でした。
個別の巨大な木の箱に入った、お雛様とお内裏様。
お二方もけっこう大きく、驚きました。
なんでも、見えない後ろがわは、省略されてたりするそうですが。
圧巻だったのは、
骨董店なのですが、観光会館近くの「安脚場」というお店。
店内ところ狭しとびっしりのお雛様!
そんじょそこらの資料館ではかなわない品揃えです!
筑後吉井は骨董店が多いことで知られていますが、
このお店がその走りだったようです。
この町は、ほんと、観光ずれしてないあたたかさのある町でした。
関西から(それも着物で!)来たというと、
どこでも歓迎していただきました。
お土産までもらったり(笑)
この時期以外はごく普通の町かな、とも思うのですが、
良いところでありました。
郷土料理も食べれたし(笑)
難点は。駅にロッカーがなかったことでした(苦笑)

さて。最後は日田です。
町も大きいし、山なども遠いので広々した印象です。
有名な「草野本家」は確かに必見ですが、
各施設、観光に慣れすぎてる感じがしました。
撮影禁止のとこも多かったですし。
(フラッシュ撮影は確かに古い人形によくないけど)
その中で、ほっと一息つけたのが
「旧豆田検番所」でした。昔の芸者さんたちの
管理をしていたとかで、残ってる資料も興味深く、
こじんまりとした座敷に飾られた雛飾りを
ゆったり見学させていただきました。
ここは衣裳人形が良かったですね。
面白かったのは「日本丸館」。昔のお薬屋さん。
いや、建物とか資料とか興味深かったです。

しかし、ある意味日田で最大のインパクトは、
お雛様関係・・・ではなく、
「日田祇園山鉾会館」で見た山鉾!!!
京都の人間にとって、祇園祭は特別で・・・
でも、ここの山鉾は!
なんというインパクト!
歌舞伎などの題材からとられたシーンの再現がされているのですが、
なんだかはるかに大陸的というか、壮麗というか
タイ○ーバームガーデンというか(笑)
面白さでは完全に本家の上行ってます!
きっと、地元の方から見れば、本家の祭り、
退屈なんじゃないかしら。
なにせ、あんな山鉾がさらに動くんだもんな・・・。

雛人形に戻りますが、一時期はやった「次郎左衛門雛」や、
押し絵でつくられた「おきあげ雛」などもたくさん見られました。
まさに「雛三昧」な旅行でした。
ちなみに。
この旅行中、ひそかにうちの18ジェニーを連れて行って
こっそり撮影してたり(笑)
今なら、間違いなく薔子同伴でしょうね(笑)

いつのまにやら、「雛紀行」ですが、印象深い旅行でした。
日本全国2〜4月にかけて、
あちこちで雛人形の公開がされます。
行きたいところもたくさんです。
山形、金沢、伊豆、高山、伊勢、八女エトセトラ。
いつか、薔子とまた出かけたいものです。

さて。
女の子一人につき、お雛様が一組ですよ、
オーナーの皆様(笑)
薔子用と、そして幼かったころの自分のためにも、
納得できるお雛様、いつか手に入れたいものです。
やっぱり。自分ひとりのためのお雛様には特別な意味がありますし。
愛する愛娘のためにも、ここはひとつ・・・?

さて、今年の雛祭り、どんなものになりますやら。
(一応、文のみですが、希望があれば旅行中の画像を挿入します。
画質は期待できませんが・・・)


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